論文①Palliative care-効果的治療に対する心不全患者さんの予後-

大風邪を引いて病欠で仕事を休み家で出来る限り休養しているハピ
購入したシロップとお掃除中に見つけた日本の総合風邪薬を飲み始め
日中は調子いいものの、寝る前2、3時間は咳が続き眠れない(涙)
昼の暇な時間に久しぶりにハピの過去のブログを見直してみると
あらら、中途半端になってる記事がいっぱい(汗)…
ということで今回はその中の「論文①Palliative care-序文-」↓の続き
http://otoboke-nurse.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/palliative_care_6b12.html

前回と同様、翻訳家ではないのでうまく日本語で表現出来なかったり
直訳的だったり、論文内容の意味の取り間違えなどあるかもしれない
ということを了承の上参考にして頂けたらと思います
そして今回はかなり専門的な内容になるので心臓領域に詳しい
医療関係者以外で内容を完全に理解するには少し難しいかもしれません
全て説明してるとものすごく長くなりそうなのでややこしい説明は省いてます
わからない単語、フレーズがあれば「検索」することをお勧めします

-効果的治療に対する心不全の患者さんの予後-
心筋障害に対する病態生理学的な反応より
心不全の状態から回復することはまれである、といわれている
病因学に関係なく、心不全という状態は初期の心室のリモデリング(一度衰えた
状態を修復しようとすること)
の過程に続く最終的な結果である
高血圧などによる後負荷や心筋梗塞などによる心筋障害を起こしても
心筋は全体的、または局所的に肥大し、心拍出量を維持するように働く
(スターリングの法則)そしてその後は心拡大を導く
しかし、進行する心拡大は心筋壁へのストレスを増加し(ラプラースの法則)
さらなる心拡大を引き起こす、という回復のない悪化の道をたどる
最近の調査や私たち(この論文の著者)の研究過程の断片からいえるのは
時期を見て心臓弁置換術などの手術をすれば心不全の状態からの回復は可能
であり、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、β遮断薬の内服により
心拡大を遅らすことが出来ることもあるが、手術、薬による効果は一時的である
*ACE阻害剤-腎臓で作られる高血圧性ホルモンを押さえて血圧を下げる薬
*β遮断薬-心拍数を増加したり、腎臓の高血圧性ホルモンを誘発するβ1受容体
を遮断し血圧や心拍数を下げる薬


ACE阻害剤が広く使用される前で、研究対象患者のばらつきや
心不全を診断する方法が異なる中での研究結果によると
一般的に、重症心不全と診断されている患者さんの1年死亡率は50%であり
中程度重症な心不全の患者さんの5年死亡率は50%である

その後のCONSENSUS(cooperative North Scandinavoan enalapril study)と
SOLVD(studies of left ventricular systolic dysfunction)の研究調査で
New York Heart Association(NYHA)の心機能分類カテゴリーⅣに入るような
重症な左心室収縮期機能不全の患者さんへのACE阻害剤の投与は
生活の質、予後をよくする、 という明確な研究結果を示している
CONSENSUSの研究によるとエナラプリル(ACE阻害剤)を内服しなかった患者さんの
一年死亡率52%に比べ、内服した患者さんの1年死亡率は36%であった
これは患者さんの6ヶ月死亡率を40%、1ヶ月死亡率を31%減少させたことと等しい
印象的なこれらの研究結果は、月・年単位の予後を含めた平均余命を
示してないので、誤った研究結果であるともいえる
これらの研究結果は個々の患者さんのためにとても意味のある発見だが
ただ単に、平均生存時間やメディアン生存時間から導き出されただけである
平均生存時間の統計学的方程式は全ての患者さんが亡くなった時点
から導き出され、メディアン生存時間では累積生存率が50%の時点
(つまり半数のものが生残っているときの時間)から計算されるが
ほとんどの研究はこれらの時期の前にされているのである
平均的な生存率のフォローアップ調査はたった188日でこの期間は
6ヶ月より少なく、この時点では約75%はまだ生存していることになる

10年間にわたる同じ研究対象での調査によると
ACE阻害剤を飲んでいない調査対象の患者さんは全員亡くなっており
治療を受けた患者さん4%のみが生存していた
この調査から、増えた平均生存時間はたった260日とわかった
しかし、研究対象の患者さんが病院に受診しなかったり
肺疾患の患者さんや腎機能が悪い患者さん(クレアチニンが300mmol/l)や
17%の異常な症例の患者さんはいろいろな理由から研究対象を除外されたので
この調査結果は現実的な正しい結果ではなく過大評価されたものともいえる

さらに、臨床では今だ適切な量のACE阻害剤が患者さんに処方されているか
されていないかの両方である
ACE阻害剤の使用は1986年から1995年にスコットランドに入院した
心不全の患者さんの寿命を1.23-1.64年=約20週伸ばし、効果を認められた
これはCONSENSUS調査より現実的な結果ある
しかし基準が変わりやすいICD(International Classification of Diseases)
という疾病及び関連保健問題の国際統計分類コードを使用し
入院してない患者は除外されているので本当に正しい調査結果だといえない

ACE阻害剤を使った研究と同じようにβ遮断薬を使った調査結果は
両方とも印象が強く私達読者は調査結果に惑わされやすい
NYHAのカテゴリーⅡーⅣに入る患者さんの1年死亡率は
ACE阻害剤やβブロッカーの導入により30-65%減少しているが
たくさんの患者さんは調査対象から除外されているし
追跡調査は半年-1.3年で早々と行われており
研究対象で治療を受けている患者さんはたった10%なのである
現実的に殆どの心不全の患者さんの予後は薬が紹介されてから
少し改善されたと言えるだろうが、それでも
病気(心不全)が進行するにつれ、症状は悪化し生活の質は衰えていくのだ

簡単にこの章をまとめてみますと
高血圧や心筋梗塞などにより一度ダメージをきたした心臓の状態は
元に戻ることは無く、手術や薬により一度回復しても一時的なものである
それに心臓の生体的反応として、心負荷がかかれば
心筋を厚くし心負荷に対応しようとし、その結果心臓が拡大していくという
心不全末期の状態にまで悪化する一方なのである
今までACE阻害剤の投与で心不全の患者さんの平均寿命が延びた
という研究結果が報告されているが、研究方法が正しくなかったり
たくさんの患者が何かの理由で研究途中から除外されているということから
調査結果の信用性が欠けている
ACE阻害剤やβブロッカーを飲んでいる患者さんの平均寿命は
多少伸びているといえるが、伸びても1年前後であるし
心不全の悪化に伴い症状が悪化し、生活の質は衰えていくのだ

ハピは心不全の患者さんの予後に関する論文を読むまで、医者の治療
高度な医療機器によりもっと心不全の患者さんは長く生存出来るのでは
と思っていたので、あまりもの重症心不全の患者さんの予後の悪さにびっくりしました
それと同時に癌と同じように予後がだいたい予期できるのであれば
「緩和ケア」も心不全の患者さんに適応できるかも、と思った瞬間でもありました
この論文は2002年に出版と少し古いので今はもう少し状況が違うのかもしれないし
日本の研究結果とは違うのかもしれませんが
最近の論文を調べた所、似たようなことを書いているので
参考にして頂けたらと思います

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心臓手術前の看護 in Australia

ハピは日本で循環器内科、心臓外科病棟
主にはCCU(Coronary Care Unit)で長いこと働いていた
ここオーストラリアでも同じ循環器、心臓外科の部署で働いているので
日本とオーストラリアの看護の違いがはっきりとわかっておもしろい
今回はハピが働いているオーストラリのF病院の心臓手術前の看護についてご紹介
(心臓手術はアデレードではF病院とR病院でしか受けられません)
日本と術前に行う基本的なことは一緒だけど微妙にシステム、方法が違うのです

・まず病院の近くに住んでる心臓手術を受ける患者さんは
Pre-admittion clinic という外来クリニックに入院前に行きます
そこで術前の全ての血液検査、輸液の為のクロスマッチ
レントゲン検査、必要な人はMRIなど特殊な検査を受け
専門看護師から術前、術後について何に気をつければよいか説明を受けます
*日本は術前日(入院当日)に全てしていたのですご~く大変だった
・アデレードの遠く離れた場所からも飛行機に乗って患者さんはやってくる
そういう患者さんはだいたい夕方に入院となり、次の日にclinicに行き
全ての検査が終わった2、3日後手術となる
・Northern territoryには心臓手術が出来る設備、医師がいないので
患者さんはF病院に飛行機に乗ってやってくる
その時、患者さんはMRSAのリスクが高い(研究で証明されている)
ので自動的に個室で隔離されることとなる
看護師はその患者さんにMRSAの検査をし、陰性とわかるまで
1回患者さんの部屋に入るごとに1回ごと使い捨てのエプロンを付け
手袋、マスクをはめて患者さんと接することになる
突然アデレードに来てばい菌持ち扱いにされる患者さんはちょっと不服そう
・ハピは特にNorthern teritorryからくるアボリジニの患者さんが
かなり若くして(20代後半~30代)で心臓病になり
心臓バイパス術や弁置換術をすることに驚いた
それに悲しいかな心臓手術後の術後合併症、死亡率がかなり高いのです

術前の看護はチェックリストに沿って行われるのだけど
日本よりかなり簡単のような気がする
患者さんの身長、体重、ヘモグロビン値がチェックされているか確認
患者さんの名前、誕生日、ID番号が書かれた白色の名札が手首にはめられているか
輸血のクロスマッチの番号が書かれた黄色の名札が手首にはめられているか
黄色の名札はカルテに貼られている黄色のシールと同じ者か
カルテに書かれている何かあったときに連絡する人の名前、電話番号の確認
電動ベッドがきちんと作動するか確認
最近の12誘導のECGがあるか
名前シールがカルテに挟まれているか←検体などに貼るため
レントゲン、前回入院カルテの有無
MRSAのリスクが高いか、低いかのチェック(術前抗生剤の指示が変わる)

・術前日の毛剃りは術式によって決められた範囲を電気かみそりで剃るのだけど
*これは日本と一緒
オージーの毛は金髪のことが多いし、柔らかいのでなかなか綺麗に剃りにくい
剃っても剃っても端の方でキラッと金髪の残り毛が光っている(涙)
反対に移民のイタリア系は体毛が多いので全部剃り終わるまですごく時間がかかる(涙)
・毛剃りの後はsurgical spongeという滅菌剤が含まれたスポンジを使って
シワー室で全身を洗ってもらう
*日本では前日にお風呂に入ってもらうかシャワーを浴びてもらうだけ
・その後、ベタディン(日本でいうイソジン)という手術の時に使う消毒液の
アレルギーテストをする*これは日本ではない
ただ薬を腕に少したらし、透明のドレッシング材で薬を塗布した部位をおおうだけ
次の日に痒み、赤みはないか確認します
・前日の夜中の12時から絶飲食となります*日本と同じ
*日本では浣腸をするのだけどF病院ではなし←何でだろ?
・手術当日1番目の患者さんは朝5時には手術前夜と同じスポンジで体を洗ってもらい
新しい病衣に着替えてもらって、朝7時には手術室へ行きます
↑オーストラリアは手術が始まるのが早いよ!
・術前には内服の前投薬(だいたい睡眠薬)が施され酸素が投与されます
・MRSAの既往があったり糖尿病がある患者さんはMRSAのリスクが高いとされ
手術室に行く前にバンコマイシンの点滴が投与され、その他の患者さんは
MRSAのリスクが低いとされ他の抗生剤を手術室に持って行くようになります
*日本でも術前に抗生剤を投与する患者がいました
でもMRSAの有無で抗生剤を変えたりしてなかったような気が…

日本では術前日に患者さんの手術に至った経過を書いたサマリーをICUに送ったり
術前の一番新しい血液検査のコピーをカルテに貼ったりしてたけど
(これは3年間の話であって今は電子カルテだからこういうのはないのかもしれない)
F病院ではこういうのはいっさいなしで楽ちんです♪
日本よりずいぶん楽ちんなのは揃える書類、ペーパーワークが少ないこと
術前検査、説明はほとんど全て手術前Clinicで済んでいるから
日本にもこのClinicがあったら随分病棟ナースの負担が軽くなるのでは、と思うのです
いつかClinicを訪れて何をしてるか実際に目で見たいものです

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心不全の患者さんの死

心不全の終末期で緩和ケアが対象だった患者さんを看取るという
日本では出来ない貴重な経験をここオーストラリアですることが出来ました
この患者さんは前回のブログでも書いたように度重なる胸痛発作を起こし
心臓手術や冠動脈形成術の適応なのだけど、その治療を拒否されたので
度重なる胸痛と心不全の呼吸不全に対して常に苦痛がないように
2時間おきの2.5mgのモルフィン皮下投与という緩和ケアが行われていたのです

ハピが今回の緩和ケアで疑問に思ったことは
本当に患者さんは自分の病気、治療のオプション、治療をしないことでの予後
を理解し、治療しないことを選んだのだろうか?
患者さんがモルフィンで安らかに寝てるのに家族はなぜそこまで神経質に
「Let her go(楽に逝かしてあげて)」と訴えたのか?ということ
なぜならずっとハピは心不全の患者さんの緩和ケアについて調べていて
どの文献にも「緩和ケアを選ぶに当たり、患者さんが病気の進行状況、すべての治療
予後を理解して、はっきりした意思決定能力があることが前提となる、患者さんの
意思決定能力がない場合は家族に決定権がゆだねられることになるが
家族は感情的になることが多く、自分達の利益を考えることもあるので
正しい決定が出来ないこともある」と書かれていたから…
ある看護師は今回のことに対しこれじゃあ安楽死を助けてるようなものと言い
ある看護師は安らかに逝かしてあげることは患者さん家族にとって必要だから
モルフィネを投与することをためらってはだめだ、と言った
ハピの英語力もあり信頼関係を築くにも関わったのは短い時間で限界があり
常に家族が付き添っていたし
患者さんに本当に治療をしないという決定能力があったのかを確かめる
きっかけを見出すことが出来なかった
普通なら母を亡くすと言う大きな喪失感の中、死を導くであろうと思えるモルフィンを
使うことはためらわれるのではないか、と考えられるのに
家族はなぜそこまで母の死に協力的だったのか
というヒントすら見出すことが出来なかった
この患者さんの死を向かえ本当にこの選択は正しかったのだろうか、とういう
なんだか胸にもやもやとつっかえた気持ちが少し残ってしまった
唯一の救いは患者さんはもともとの姿のままほとんど苦しまず安らかに亡くなり
家族はハピ達にお礼をいい、すごく晴れやかな顔をして病院を後にしたこと

この患者さんが亡くなられた後「1時間ほど静かに1人にしてあげましょ」
と言った看護師さんに理由を尋ねると、おだやかに
「今ね突然世界が変わって魂が戸惑ってる所だから魂が落着いて
ちゃんと行くべき所へまでたどり着けるように少し時間をあげるのよ」と言われた
なんだか死がすごく神秘的に感じて、じ~んと感動したハピ
日本で死後の処置をするまで時間を置くのは確か、何か患者さんに奇跡的なことが
起こるかもしれないと言う前提や規定があったからだったと思う
今回「魂」という漠然とした理由を聞き、宗教感もあるのだろうけど
患者さんが亡くなってもなおかつその人を尊重しいとおしむ感じがして
すごく温かい感じを受けたし、死がすごく綺麗な事に思えた瞬間だった

その感動とは別に死後の処置はまことに簡潔で物扱いだった(苦笑)
以前は日本と同じようにお化粧をしたりというような
死後の処置がオーストラリアでもされていたらしいけど
今は体をさっと温かいタオルで拭いた後、使い捨ての白い簡易な服を着せ
足の指に名札をくくりつけ、大きな白いビニールで体を包み
ガムテープでビニールをぴっちり閉じ、名札を2つ上に貼るだけ
後は搬送係りに電話をし迎えに来てもらい、死体保管所に保存となる
ただ葬式の前には業者によって体は綺麗にされお化粧がほどこされ
宗教に合った素敵な服が着せられるらしい

そんなこんなでいろいろ思うことのあった初めてのオーストラリアでの
患者さんの死の看取りを終えました
次の看取りでは今回の教訓を生かし少しでも家族、患者といい関係を築き
心不全の患者さんの緩和ケアへの手がかりがつかめたらと思うのです

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論文①Palliative care-序文-

ハピは心臓領域の看護にすごく興味を持っている
特にCoronary Care Unit(CCU)いわるる心臓専門集中室での看護
生命危機状況にいる患者さんの命を最新の医療技術を駆使し
高度な知識、判断能力を備えた医師、看護師が一段となって救う
それと共に患者さん、家族の精神的危機状況をも一緒にサポートしていく
すっごくやりがいがあるのです!
だけど、どんなにすばらしい医療機器、薬を使っても回復せず
機械に繋がれたまま苦痛を伴って亡くなっていく患者さんもいるのです
そんな患者さんに何かよい看護はないかとずっと考えていて
ハピが結局行き着いたのは「CCUの中の緩和ケア(Palliative care)」
来年2月からの大学院でもこのことを中心に学びたいのです

ただ今、仮のビジネスビザ待ちで暇なこともあり、今回から少しずつ
~心臓病の患者さんにも緩和ケアを~
というコンセプトをもとに海外の論文を紹介していこうと思います
(翻訳家ではないのでうまく日本語で表現出来なかったり、直訳的だったり、
論文内容の意味の取り間違えなどあるかもしれない、ということを了承の上
参考にして頂けたらと思います)

今回は「なぜ心不全の患者さんに緩和ケアが必要なのか」
という概要を、わかりやすく表現している論文を選びました
「The need for palliative care in the management of heart failure」
-心不全の治療における緩和ケアの必要性-

Auther: Dr Cristopher Ward, heart failure clinic at a Uni hospital in the U.K
Publish: Heart 2002, vol 87, pp.294-298

-序文-
心不全の患者さん、または心不全に加え進行癌を伴っている患者さんは
たくさんの身体的、精神的、社会的問題を抱えており、これらの患者さんは
緩和ケア専門家の対象である。
しかしながら、心臓病学と緩和ケアは学問的に相反する分野であり、
心不全末期の治療に緩和ケアを取り入れるという概念は心臓病学の
中に存在しない。オックスフォードの緩和ケアのテキストの中でさえ
伝統的な緩和ケアの枠に留まっているのみである。
この伝統的な考え方は、緩和ケアチーム、心臓病医、病理学医、精神科医達が
心不全の末期(亡くなる2,3ヶ月、数日前)の患者さんが直面する
問題を明らかにすることで少しずつ変わってきている。
伝統的な心臓病への治療で彼らの苦しみを取り除くことは不十分で
不適切ありそのことは充分認識されるべきである、と彼らは言う。

一般的な緩和ケアの誤った概念は
「緩和ケアは末期のがん患者さんのためのケアである」ということ。
これはオックスフォードの緩和ケアテキストの中に示している緩和ケアの定義や
「がん患者さんのためにホスピスを」という元来の活動に反映されている。
The World Health Organization(WHO世界保健機構)では癌の末期の患者
さんへの痛み、他の症状のコントロール、精神的、社会的、宗教的
なサポートという積極的な総合的ケアの重要性を強調している一方で
これらの緩和ケアの概念を病気が進行する過程においても早期から適応できる、とし
病気の患者の家族が適応出来るように支援するシステム作りなども提案している。

それに対して医学辞典や一般向けの医学辞典の中の緩和ケアの定義は
「苦痛を軽減すること」であり、これは根本的な疾患を治療せず、
病気による症状を軽くする、という意味である。
緩和ケアというのは単に病気にだけ焦点をあてた治療を提供するということではなく、
ケア提供者による患者マーネジメント方法なのである、そしてこの方法は癌患者さん、
終末期の患者さんだけに限られるべきではない。緩和ケアは今まで
「病気に対しての治療を中止して、症状を緩和し、患者さん家族をサポートする」
ことに重きを置かれていた。
病気が悪化していく患者さんをケアするすべての医者は
たぶん緩和ケアの基礎的な概念や言葉の意味をよく知っていないだろうが
しだいに緩和的アプローチの利点を認めるようになるだろう

治療、コミュニケーション技術が向上された緩和ケアを受ける癌患者さんの状態の
特徴として、進行性の衰弱、いくばくもない余命、陰鬱な症状、末期的な身体的、
精神的苦痛があげられる。この論文では
①これらの特徴は心不全の患者さんにも適応できる、という根拠を示し
②心不全の患者さんに対する緩和ケアの重要性と特殊分野を明らかにし
③心不全の患者さんへどのように緩和ケアを提供するか、を述べていく

要約すると-伝統、医学的な緩和ケアの範囲では癌の末期の患者さんの
病気に対する治療を中止し、病気による症状(痛みや吐き気など)
を緩和することにフォーカスを置いてケアすることを目的としているが
WHOや筆者は痛みの除去などという身体的ケアに加えて、精神、
社会的要素などを含めた総合的なケアが必要だということを強調している
そして今までは緩和ケアというと末期の癌患者さんのためのケアという
イメージがあり、心臓病の患者さんには適応されてこなかったけれど
心不全の患者さんも癌患者さんと同じように苦しんでおり、緩和ケアを
取り入れることができるのではないか-といった感じでしょうか!?

英語から日本語への翻訳ってハピにはけっこう難しかった!は~頭が疲れた
何か質問があればハピのわかる範囲で答えるのでどうぞ~
次のシリーズでは「心不全の患者さんの予後について」です
(翻訳ってかなり気合入れないと出来ないのですぐにはUPできないかも…)

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Palliative care in a CCU

ただ今朝の7時、大学最後の課題にひたすら取り組んでおります
睡魔が襲ってきたので(笑)ここらで気分転換にブログをUP
今回の課題のトピックは「Research B」で
「看護研究の計画書」を作成するというもの

ハピが選んだ研究の題材は
「Palliative care in a CCU (coronary care unit)」
~心臓病で苦しんでいる患者さんに緩和ケアを~

緩和ケアというと終末期の癌の患者さんの
「身体的、精神的苦痛を取り除いて最後の時を安らかに迎える手助けをする」
というイメージを持っている方も多いと思いますが
少し前からといってもアメリカでは1990年代からこの緩和ケアを
心不全の患者さんにも適応しようという動きが出てきています
最近では「心不全の患者さんへの緩和ケアとは何か」という具体的な
論文、研究も頻繁に目に付くようになりました

なぜ心不全の患者さんに緩和ケアが必要なのかというと
*年々心不全に苦しんでいる患者さんが増えていっているということ
*心不全と診断された患者さんの予後が極めて悪いということ
一般的に75%の心不全と診断された患者さんは7年以内に死亡する傾向
・81%のNYHAカテゴリーⅣに入る心不全の患者さんは1年以内に死亡する傾向
*心不全の終末期に、ひどい呼吸困難、倦怠感、痛み、精神的ストレス
 に苦しみ、充分コントロールされないまま亡くなる患者さんが多い
ということがあげられます

最近の研究では「CCUで重症な譫妄になった心不全の患者さんの
1年以内の死亡率が高い」
という結果も出されています
ハピはずっと「集中治療室での精神的看護」に興味があって
日本で働いてた頃「譫妄」の研究をしていました
(譫妄-錯覚や幻覚が起きること、ICU、CCUではよく患者さんが
譫妄起こして、点滴を引っこ抜いたり、おかしなことを言ってます)
その時にどんな患者さんが、いつ頃譫妄になって、譫妄の程度はどうだったか
ということを過去の患者さんのカルテを元に統計をとったのですが
CCUで譫妄になった患者さんはほとんど短い期間~数年後に
亡くなっていて、後輩と「うっひゃ~怖っ~」って言ってたことを
これを読んだ時思い出して、すごく納得してしまった

心不全の患者さんへの緩和ケアって不可能に近いとずっと思ってた
医療が進んでいる中で、機械を一時的に装着したり薬で疾患を
コントロールをすることで、元気になって退院する患者さんは多いし
心不全の患者さんの予後をはっきり診断することは難しい、と思ってた
呼吸困難の患者さんにモルヒネを投与することは命を縮めるようなもの
でも機械に囲まれ、苦しんで亡くなっていく患者さんを見ながら
何か他にいい方法はないのか、とジレンマを感じていたのも事実

だけど、大学で文献を読んでいくと「その答え」がちゃんと
「緩和ケア」の中に存在していることに驚いた
-CCUで助けるべき命を支え、その後病気と共存しながらそれぞれの
患者さんにとって意味のある生活ができるよう支え
その中で改めて「死」というものを恐怖を持たずに考える場を与え
最後の時の準備を一緒にする-
Palliative care in a CCU 今の日本では難しいかもしれないけれど
それゆえやりがいがあるのではないかとも思っている

心不全の患者さんへの緩和ケアについて
この機会に海外の文献を少しずつ訳してみようと思います
(翻訳家じゃないから完璧にはいかないけど努力はするつもり…)
課題が終わりしだいブログにアップしていきますね
目ざせ!Palliative care in a CCU !!

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心の安定

今日の日記は長いですよ~覚悟!(笑)
でもちょっと役に立つお話し?

お友達はオーストラリア、フリンダース大学の看護科の一年生
ハピが学ぶよりはるかに厳しいコースで勉強中 
(ハピは日本で看護師の免許もってるから3年生に編入できる
。ラッキー♪)

そのお友達から
「お題」をもらってしまいました(・・lll)
どうやらアサイメント(宿題)のアンケートみたいです

    で、「お題」
       ↓
Which 2 health dimensions out of 5(mental health, emoitonal health, social health, physical health and spiritual health) are important to you and why?
(5つの健康的要素「精神的」「情動的」「社会的」「身体的」「*霊的」に健康、のうち
あなたにとって大切だと思うものを2つ選んでください、また、その理由を教えてください)

*spiritual health 霊的健康ー宗教的な要素が含まれているが、
この中には哲学、癒し(*代替療法)的意味あいも含まれている
*代替療法ー瞑想、祈祷、お灸、気孔、アロマテラピーなど医療とは認められていない療法

2週間以内に英語で答えなくっちゃいけないの…

で、疑問

「emotional health」って何?

WHO(world health organization 世界保健機構)が定めた「健康」の定義は


「Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.」
(健康であるということは単に病気がないだけでなく、身体的、精神的、社会的に満たされた状態をいう)

emotional health については書かれていない…

で、調べてみた

日本語でわかりやすく説明された文章は見つからなかった(・・、)


英語で検索してみた

ふう~ん、なんとなくわかったような…

でも日本語で説明するとなると難しいなあ(・・lll)


ハピなりに翻訳(解釈?)してみました(^^)

emotional health(情動的健康)ってどうやらmental health(精神的健康) の中に含まれるらしい(mental health とemotional healthを一緒のように説明している文も多い)

よいemotional healthの状態にある人は心が安定しているそうです

心が安定してる人は悲しいことが起きたり、難しい問題などに出くわした時、自暴自得にならず


「物事を前向きにとらえたり、じっくり考えたりする事が出来る」

力があるそうです す、すばらしい…

で、どんな人が健康な心の状態を手に入れることができるか、といいますと


high self-esteem(自尊心が強い)人だそうです
自尊心っていうのは、どれだけ自分に価値があるか、と考えられるかどうかに影響します

で、どうすれば自尊心が強くなれるか?

自尊心の程度は過去に「成功した時」「失敗した時」他人がどんな反応をしたか、によって決定づけられるそうです
がんばったのに、がんばりを認められなかったら、自分は価値がない、なんて思うよね。
例え失敗しても、挑戦した勇気を褒めてもらえたら、やってよかった、また挑戦しようって思うよね

じゃあ、自分で今更何やってもだめじゃん(><)自暴自得にならないように…
はい「前向きに」です(^^)

自尊心の強さは幼少時の親の子への接し方によりある程度確立されるそうですが、私たちの人生の中で育っていくものでもあるそうです


それに自分で自尊心を強くする方法もあるんです


方法①悲観的な思考を前向きに変えてみる
例「あ~今日は日曜なのに1日中パジャマ着て家に閉じこもって友達の宿題考えてる、なんて暗いハピ(・・lll)」
            ↓ 
 「あ~今日は友達のおかげで集中して英語の文献が読めたわ~。それに、これってハピの第2の研究テーマ 
「emotional intelligence」 に関係あるじゃないですかあ w(・0・)w ラッキー♪」 こんな感じ。
(第1の研究テーマについてはhttp://otoboke-nurse.cocolog-nifty.com/blog/2006/04/post_f7ea.html を参考に)

方法②自己を育てる
自己管理をするー充分な眠り、適度な食事や運動、入浴などー基本的なことだけど大事
リラックスしたり、楽しむ時間を作るー好きなことしよう
自分で何かやり遂げたことをほめるーちっちゃなことでもいいよお
自分の強み、好きな所を書き出すー何か賞状(免許、級、資格など何でも)を飾ってもよい
出来ない自分を許すーもともと「自分をほめる」ことがなかった人にとって難しい方法
自分は「すごい」と思えなくても「ふり」をするーだんだん信じれるようになる

方法③他の人に助けを求める

友達に自分のいいところを挙げてもらう。ただ、ただ話しを聞いてくれる友達に気持ちを打ち明ける(おせっかいさんはだめよお)
自尊心が低い人は自分だけでの解決はむりだからカウンセラーなどに相談する

*self-esteemについてはhttp://www.utexas.edu/student/cmhc/booklets/selfesteem/selfest.html参考にしました

どうですか?今日からハピと一緒に自分を褒めまくりしませんか?(笑)

ちなみにphobias and panic attacks(恐怖症、パニック症候群)
self-harming(自傷行為)suicidal feeling(自殺願望)などは心が安定してないときに起こるらしいです。emotional health あなどれません


本当はもっと書きたかったけど今日はここまでに
看護の話しになるとついつい熱くなっちゃうハピでした

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お勧めの本

ちょっと今日は真面目なお話し…でもよかったら読んでね♪というか読んでほしい(笑)

親が突然倒れてしまったり、病状が悪化していく時のことを今まで親や兄弟と考えたり、話し合ったりしたことありますか?
自分がそういう立場になった時どうしたいですか?

ハピのプロフィールにも書いてるけど、CCU(重症な心臓や血管の病気の患者さんが治療する病棟)のナースとして働いてるときに「とことん治療をする」ということに疑問を持ち始めていました。

(注ー*で印している専門用語は下に説明あります)
家で心停止で倒れてた78歳のMさん。
妻が救急車を呼び、5分後に到着した救急隊の懸命な処置でなんとか*心拍再開し*挿管されて病院に運ばれました。心電図変化や採血結果から心筋梗塞と診断されてすぐ*PTCAを行いましたが、広範囲に心筋が障害されていて、血圧が低かったので*IABP挿入し、CCU入室されました。人工呼吸器を装着して、脳の障害を防ぐため、低体温療法も開始しました。もともと軽度の慢性腎不全があったようで尿が出ず心不全も合併したので*CHDFを開始しました。その後不整脈が出現して、何度と*DCをかけたり、体外式ペースメーカーによう治療も行いました…


…奇跡的に血圧や脈が落ち着き、尿も出るようになり、人工呼吸器もはずせました

でも…Mさん自身で痰を出せないので気管切開をしました
そして、意識が二度と戻ることはありませんでした

…1年後転院されました

*心拍再開ー止まっていた心臓が再び動き始めること
*挿管ー自分で呼吸出来ないからチューブを気管に入れて肺への酸素の通り道をつくること
*PTCAー経皮的冠動脈形成術の略語で、心臓に酸素をおくっている血管の中が動脈硬化や血栓で詰まる、もしくは細くなったため、風船つきの管で血管を広げで血流をよくする治療
*IABPー大動脈バルーンパンピングの略語で、脚の付け根から太い管を心臓の近くの動脈まで入れて心臓の負担を取る器械
*CHDFー持続的血液濾過透析の略で、透析と違って24時間以上かけてゆっくり体から水を抜くことができる器械なので心臓に優しいのです(デメリットもありますが…)
*DCー電気的除細動の略語で、電気ショックのこと

このMさんの話を読んで何か感じることはありますか?

ハピのこれからの研究テーマの1つは「DNR(do not resuscitate 蘇生をしない)」について検討すること。
決して助けない、ということではなく、もう少し助けることの意味を考えてみようじゃないか?ということです

で、とってもよい本を見つけたのでご紹介(^^)

Choices at the End of Life: Finding Out What Your Parents Want Before It's Too Late Book Choices at the End of Life: Finding Out What Your Parents Want Before It's Too Late

著者:Linda Norlander,Kerstin McSteen
販売元:Fairview Pr
Amazon.co.jpで詳細を確認する

この本を書いた1人目の方はナースで、「最後の時」をその人らしく迎えられるようにサポートしようと活動されているアメリカ、ミネソタの団体の理事をしておられます。
もうひと方もナースで、緩和ケアの専門家です。おふた方とも大学院で修士号を取っておられます。  

内容はハピが2行目で書いたような「「もしも」の時に備えて家族で「もしも」の時のことをしっかり考え、話し合い、「もしも」のときどうしたらいいか自ら選び、選んだことを実行できるようにしよう」というものです。
とっても順序よく書かれてて、項目ごとにわかりやすく内容を説明されてて、それぞれの項目が長くないので飽きないです。
それにおもしろい表現も使われてて、真面目な話もおもしろく読めます。
例えば
「ベビーブームといわれた時代は今は老人ブームの時代(笑)」
あら?おもしろいと思うのはハピだけですか?
英語の苦手な方も電子辞書があれば少しづつ読めそうですよ。

この本は医療者の方へ、というのではなく、むしろ医療者ではない一般の方へ送るメッセージ、指標みたいな感じです。
だから読みやすいんですかね?

それに値段は2000円以下!内容は値段以上の価値があると思ってます(^^)
ハピ満足~満足~

日本で実行可能かどうかは別として、ハピはこの本よんで感激しました。なんていいこと書いてるんだ(・・、)と

ただ今「Smart Nursing」読んでます。
どうしたら働きやすい素敵な♪職場環境がつくれるか?という内容です。 
読み終わったらまた本の内容紹介しま~す
きっと読み終わるのは当分先(・・lll)気長にね~

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人気No.1

    ハピは大の採血好き♪

細~い、もろ~い、見えな~い、誰も取れな~い血管を見るとわなわなと興奮してきちゃいます(たぶん変体)
よっしゃ、ハピの出番よ!とばかりに立ち向かう!
99%の成功率、えっへん(^^) え?100%じゃないって?気にしないでくださいね

ところで、ナースの人気No.1グッズ知ってます?

それは 「躯血帯」 (血の検査をする時に腕を縛るゴムのチューブです)
 
ハピみたいなナース多いんですかねえ?

病院で注文できるのはたいてい黄土色のチューブ。
自分で買うと、パステルピンク♪ パステルブルー♪ パステルオレンジ♪ いろいろありますよお
ハピはパステルピンクがお気に入り
なんだか忙しい時もこのかわいい色たちに癒されます(^^)
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ほかにもナースグッズたくさんありますよ
ハピは写真のナースマガジンでいろいろなグッズを買ったものです
グッスがあると、なんだか仕事をするのがうきうきしてくるんですね~不思議と
興味のある方はこちらhttp://www.nurse.ac/index.htm


今狙ってるのは、点滴の滴下数を計算してくれるマシ~ン。賢~い!
ハピはいつも電卓とにらめっこ(苦手なの計算…(・・lll))
これがあるときっと快適に仕事ができるに違いない
ハピのナースグッズたちへのマシ~ンの仲間入りは近い…

さっ明日もナースグッズたちと楽しくお仕事しよっ      

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脚じまん

ハピは今、パートのナースとして昼間だけ働いてるので夜勤がありません♪

前はちゃんと夜勤してましたよお
深夜勤明けはとっても体がだるくてだるくて「ああ、夜勤してる人の寿命が昼勤の人より短いって本当のことね」ってよく思ったものでした

で、何よりもつらかったのは  脚のだるさ!!

     夜勤なんか嫌い…  

といじけてたハピに後輩が 「脚じまん」写真) くれました~(^^)v
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これちょっと履くのがめんどくさいけど、とっても気持ちよいのです
ブーツに脚を入れ、太ももにも巻きつけ、スイッチ ON
ウィーンという音と共に空気が入ってきたり抜けたりしてマッサージ開始
1回15分だけど、ちょっと物足りないので2回してました

夏は、ス~ッとする脚用ジェル(the body shopの)を塗りたくり、冬はホットジェルを塗りたくってました

マッサージした後寝て、起きたらあら不思議  脚がかるぅ~い ほそ~い♪

ほんと「脚じまん」にはお世話になりました

そしてすっかり「脚じまん」の存在を忘れてました。最近仕事が忙しくて脚がとってもだるいので復活!してみました

ん~やっぱり最高!

今日もお世話になりま~す

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