« 喉が痛いよ~ | トップページ | 卒業式 in Australia »

論文①Palliative care-効果的治療に対する心不全患者さんの予後-

大風邪を引いて病欠で仕事を休み家で出来る限り休養しているハピ
購入したシロップとお掃除中に見つけた日本の総合風邪薬を飲み始め
日中は調子いいものの、寝る前2、3時間は咳が続き眠れない(涙)
昼の暇な時間に久しぶりにハピの過去のブログを見直してみると
あらら、中途半端になってる記事がいっぱい(汗)…
ということで今回はその中の「論文①Palliative care-序文-」↓の続き
http://otoboke-nurse.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/palliative_care_6b12.html

前回と同様、翻訳家ではないのでうまく日本語で表現出来なかったり
直訳的だったり、論文内容の意味の取り間違えなどあるかもしれない
ということを了承の上参考にして頂けたらと思います
そして今回はかなり専門的な内容になるので心臓領域に詳しい
医療関係者以外で内容を完全に理解するには少し難しいかもしれません
全て説明してるとものすごく長くなりそうなのでややこしい説明は省いてます
わからない単語、フレーズがあれば「検索」することをお勧めします

-効果的治療に対する心不全の患者さんの予後-
心筋障害に対する病態生理学的な反応より
心不全の状態から回復することはまれである、といわれている
病因学に関係なく、心不全という状態は初期の心室のリモデリング(一度衰えた
状態を修復しようとすること)
の過程に続く最終的な結果である
高血圧などによる後負荷や心筋梗塞などによる心筋障害を起こしても
心筋は全体的、または局所的に肥大し、心拍出量を維持するように働く
(スターリングの法則)そしてその後は心拡大を導く
しかし、進行する心拡大は心筋壁へのストレスを増加し(ラプラースの法則)
さらなる心拡大を引き起こす、という回復のない悪化の道をたどる
最近の調査や私たち(この論文の著者)の研究過程の断片からいえるのは
時期を見て心臓弁置換術などの手術をすれば心不全の状態からの回復は可能
であり、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、β遮断薬の内服により
心拡大を遅らすことが出来ることもあるが、手術、薬による効果は一時的である
*ACE阻害剤-腎臓で作られる高血圧性ホルモンを押さえて血圧を下げる薬
*β遮断薬-心拍数を増加したり、腎臓の高血圧性ホルモンを誘発するβ1受容体
を遮断し血圧や心拍数を下げる薬


ACE阻害剤が広く使用される前で、研究対象患者のばらつきや
心不全を診断する方法が異なる中での研究結果によると
一般的に、重症心不全と診断されている患者さんの1年死亡率は50%であり
中程度重症な心不全の患者さんの5年死亡率は50%である

その後のCONSENSUS(cooperative North Scandinavoan enalapril study)と
SOLVD(studies of left ventricular systolic dysfunction)の研究調査で
New York Heart Association(NYHA)の心機能分類カテゴリーⅣに入るような
重症な左心室収縮期機能不全の患者さんへのACE阻害剤の投与は
生活の質、予後をよくする、 という明確な研究結果を示している
CONSENSUSの研究によるとエナラプリル(ACE阻害剤)を内服しなかった患者さんの
一年死亡率52%に比べ、内服した患者さんの1年死亡率は36%であった
これは患者さんの6ヶ月死亡率を40%、1ヶ月死亡率を31%減少させたことと等しい
印象的なこれらの研究結果は、月・年単位の予後を含めた平均余命を
示してないので、誤った研究結果であるともいえる
これらの研究結果は個々の患者さんのためにとても意味のある発見だが
ただ単に、平均生存時間やメディアン生存時間から導き出されただけである
平均生存時間の統計学的方程式は全ての患者さんが亡くなった時点
から導き出され、メディアン生存時間では累積生存率が50%の時点
(つまり半数のものが生残っているときの時間)から計算されるが
ほとんどの研究はこれらの時期の前にされているのである
平均的な生存率のフォローアップ調査はたった188日でこの期間は
6ヶ月より少なく、この時点では約75%はまだ生存していることになる

10年間にわたる同じ研究対象での調査によると
ACE阻害剤を飲んでいない調査対象の患者さんは全員亡くなっており
治療を受けた患者さん4%のみが生存していた
この調査から、増えた平均生存時間はたった260日とわかった
しかし、研究対象の患者さんが病院に受診しなかったり
肺疾患の患者さんや腎機能が悪い患者さん(クレアチニンが300mmol/l)や
17%の異常な症例の患者さんはいろいろな理由から研究対象を除外されたので
この調査結果は現実的な正しい結果ではなく過大評価されたものともいえる

さらに、臨床では今だ適切な量のACE阻害剤が患者さんに処方されているか
されていないかの両方である
ACE阻害剤の使用は1986年から1995年にスコットランドに入院した
心不全の患者さんの寿命を1.23-1.64年=約20週伸ばし、効果を認められた
これはCONSENSUS調査より現実的な結果ある
しかし基準が変わりやすいICD(International Classification of Diseases)
という疾病及び関連保健問題の国際統計分類コードを使用し
入院してない患者は除外されているので本当に正しい調査結果だといえない

ACE阻害剤を使った研究と同じようにβ遮断薬を使った調査結果は
両方とも印象が強く私達読者は調査結果に惑わされやすい
NYHAのカテゴリーⅡーⅣに入る患者さんの1年死亡率は
ACE阻害剤やβブロッカーの導入により30-65%減少しているが
たくさんの患者さんは調査対象から除外されているし
追跡調査は半年-1.3年で早々と行われており
研究対象で治療を受けている患者さんはたった10%なのである
現実的に殆どの心不全の患者さんの予後は薬が紹介されてから
少し改善されたと言えるだろうが、それでも
病気(心不全)が進行するにつれ、症状は悪化し生活の質は衰えていくのだ

簡単にこの章をまとめてみますと
高血圧や心筋梗塞などにより一度ダメージをきたした心臓の状態は
元に戻ることは無く、手術や薬により一度回復しても一時的なものである
それに心臓の生体的反応として、心負荷がかかれば
心筋を厚くし心負荷に対応しようとし、その結果心臓が拡大していくという
心不全末期の状態にまで悪化する一方なのである
今までACE阻害剤の投与で心不全の患者さんの平均寿命が延びた
という研究結果が報告されているが、研究方法が正しくなかったり
たくさんの患者が何かの理由で研究途中から除外されているということから
調査結果の信用性が欠けている
ACE阻害剤やβブロッカーを飲んでいる患者さんの平均寿命は
多少伸びているといえるが、伸びても1年前後であるし
心不全の悪化に伴い症状が悪化し、生活の質は衰えていくのだ

ハピは心不全の患者さんの予後に関する論文を読むまで、医者の治療
高度な医療機器によりもっと心不全の患者さんは長く生存出来るのでは
と思っていたので、あまりもの重症心不全の患者さんの予後の悪さにびっくりしました
それと同時に癌と同じように予後がだいたい予期できるのであれば
「緩和ケア」も心不全の患者さんに適応できるかも、と思った瞬間でもありました
この論文は2002年に出版と少し古いので今はもう少し状況が違うのかもしれないし
日本の研究結果とは違うのかもしれませんが
最近の論文を調べた所、似たようなことを書いているので
参考にして頂けたらと思います

|

« 喉が痛いよ~ | トップページ | 卒業式 in Australia »

看護&医療」カテゴリの記事

コメント

(mamaさんへ)
メールへのリンクを以前設けてたのですが、迷惑コメントがあるので削除してしまったのです。ハピはアデレードに住んでいるのでタピオカ粉がゴールドコーストのどこに売っているかちょっとわかりかねますが、アデレードではオーガニックショップの豆、粉、ドライフルーツを売ってるお店にありますよ。マーケットがあればそこに行くとか、現地の方に聞いてはどうでしょう?

投稿: ハピ | 2007年12月22日 (土) 12時31分

はじめまして、検索していてここに辿りつきました。
今家族でゴールドコーストに住んでいます。
子供を連れて今年移住しました いろいろと手作りしているのですが、どこにタピオカ粉が売っているのか教えて頂けませんでしょうか? すいません、変な質問で・・・。
子供にポンデケージョを作ってあげたいと思っています。
メール欄がなかったのでこちらに書かせて頂きました
よろしくお願いします。

投稿: mama | 2007年12月21日 (金) 01時12分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80141/9364179

この記事へのトラックバック一覧です: 論文①Palliative care-効果的治療に対する心不全患者さんの予後-:

« 喉が痛いよ~ | トップページ | 卒業式 in Australia »