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論文①Palliative care-序文-

ハピは心臓領域の看護にすごく興味を持っている
特にCoronary Care Unit(CCU)いわるる心臓専門集中室での看護
生命危機状況にいる患者さんの命を最新の医療技術を駆使し
高度な知識、判断能力を備えた医師、看護師が一段となって救う
それと共に患者さん、家族の精神的危機状況をも一緒にサポートしていく
すっごくやりがいがあるのです!
だけど、どんなにすばらしい医療機器、薬を使っても回復せず
機械に繋がれたまま苦痛を伴って亡くなっていく患者さんもいるのです
そんな患者さんに何かよい看護はないかとずっと考えていて
ハピが結局行き着いたのは「CCUの中の緩和ケア(Palliative care)」
来年2月からの大学院でもこのことを中心に学びたいのです

ただ今、仮のビジネスビザ待ちで暇なこともあり、今回から少しずつ
~心臓病の患者さんにも緩和ケアを~
というコンセプトをもとに海外の論文を紹介していこうと思います
(翻訳家ではないのでうまく日本語で表現出来なかったり、直訳的だったり、
論文内容の意味の取り間違えなどあるかもしれない、ということを了承の上
参考にして頂けたらと思います)

今回は「なぜ心不全の患者さんに緩和ケアが必要なのか」
という概要を、わかりやすく表現している論文を選びました
「The need for palliative care in the management of heart failure」
-心不全の治療における緩和ケアの必要性-

Auther: Dr Cristopher Ward, heart failure clinic at a Uni hospital in the U.K
Publish: Heart 2002, vol 87, pp.294-298

-序文-
心不全の患者さん、または心不全に加え進行癌を伴っている患者さんは
たくさんの身体的、精神的、社会的問題を抱えており、これらの患者さんは
緩和ケア専門家の対象である。
しかしながら、心臓病学と緩和ケアは学問的に相反する分野であり、
心不全末期の治療に緩和ケアを取り入れるという概念は心臓病学の
中に存在しない。オックスフォードの緩和ケアのテキストの中でさえ
伝統的な緩和ケアの枠に留まっているのみである。
この伝統的な考え方は、緩和ケアチーム、心臓病医、病理学医、精神科医達が
心不全の末期(亡くなる2,3ヶ月、数日前)の患者さんが直面する
問題を明らかにすることで少しずつ変わってきている。
伝統的な心臓病への治療で彼らの苦しみを取り除くことは不十分で
不適切ありそのことは充分認識されるべきである、と彼らは言う。

一般的な緩和ケアの誤った概念は
「緩和ケアは末期のがん患者さんのためのケアである」ということ。
これはオックスフォードの緩和ケアテキストの中に示している緩和ケアの定義や
「がん患者さんのためにホスピスを」という元来の活動に反映されている。
The World Health Organization(WHO世界保健機構)では癌の末期の患者
さんへの痛み、他の症状のコントロール、精神的、社会的、宗教的
なサポートという積極的な総合的ケアの重要性を強調している一方で
これらの緩和ケアの概念を病気が進行する過程においても早期から適応できる、とし
病気の患者の家族が適応出来るように支援するシステム作りなども提案している。

それに対して医学辞典や一般向けの医学辞典の中の緩和ケアの定義は
「苦痛を軽減すること」であり、これは根本的な疾患を治療せず、
病気による症状を軽くする、という意味である。
緩和ケアというのは単に病気にだけ焦点をあてた治療を提供するということではなく、
ケア提供者による患者マーネジメント方法なのである、そしてこの方法は癌患者さん、
終末期の患者さんだけに限られるべきではない。緩和ケアは今まで
「病気に対しての治療を中止して、症状を緩和し、患者さん家族をサポートする」
ことに重きを置かれていた。
病気が悪化していく患者さんをケアするすべての医者は
たぶん緩和ケアの基礎的な概念や言葉の意味をよく知っていないだろうが
しだいに緩和的アプローチの利点を認めるようになるだろう

治療、コミュニケーション技術が向上された緩和ケアを受ける癌患者さんの状態の
特徴として、進行性の衰弱、いくばくもない余命、陰鬱な症状、末期的な身体的、
精神的苦痛があげられる。この論文では
①これらの特徴は心不全の患者さんにも適応できる、という根拠を示し
②心不全の患者さんに対する緩和ケアの重要性と特殊分野を明らかにし
③心不全の患者さんへどのように緩和ケアを提供するか、を述べていく

要約すると-伝統、医学的な緩和ケアの範囲では癌の末期の患者さんの
病気に対する治療を中止し、病気による症状(痛みや吐き気など)
を緩和することにフォーカスを置いてケアすることを目的としているが
WHOや筆者は痛みの除去などという身体的ケアに加えて、精神、
社会的要素などを含めた総合的なケアが必要だということを強調している
そして今までは緩和ケアというと末期の癌患者さんのためのケアという
イメージがあり、心臓病の患者さんには適応されてこなかったけれど
心不全の患者さんも癌患者さんと同じように苦しんでおり、緩和ケアを
取り入れることができるのではないか-といった感じでしょうか!?

英語から日本語への翻訳ってハピにはけっこう難しかった!は~頭が疲れた
何か質問があればハピのわかる範囲で答えるのでどうぞ~
次のシリーズでは「心不全の患者さんの予後について」です
(翻訳ってかなり気合入れないと出来ないのですぐにはUPできないかも…)

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看護&医療」カテゴリの記事

コメント

(Mayさんへ)
いや~論文をブログにUPすると言ってから本当にUPするまで重い腰を上げるのに時間がかかりました、フウ…
でもこうして翻訳してみるとハピの頭の中も整理されてくるのでなかなかよいのでは、と思ってます
それにハピは「海外の論文の最新情報をすぐ知りたい」「誰か翻訳してくれたらいいのに」と日本でずっと思ってたので、そういった方に少しでも参考にしてもらったらうれしいと思うのです

ハピの専門は「集中治療室と緩和ケア」だけどMayさんの「公衆衛生と緩和ケア」にも興味あり!その2つがどう結びつくんだろうと興味深々、それにきっかけになった本のことも!UPされるのを首を長くして待ってますね~

投稿: ハピ | 2007年8月17日 (金) 23時51分

(kyuさんへ)
ハピはKyuさんの「大学院で勉強したい」という思いは立派な目的だと思いますよ!大学院に行くまでの大学生活、社会経験の中で「これを学びたい」ということが必ず出てくるはず。それに2、3年働いてからのほうが「経験を問われる」AUSの大学院での学びも多いと思うし、大学院で漠然と学んだとしても必ず得る物はあるはず!とハピは思ってます。それにAUSは日本より研究が進んでいるし、興味があればいろんな分野を大学で学び続けることが出来る国、AUSで勉強しなきゃ損でしょう(笑)お互い頑張りましょうね!!

投稿: ハピ | 2007年8月17日 (金) 23時33分

お、とうとう連載が始まりましたか!

待ってました!

私ももう1つの日記で「公衆衛生と緩和ケアを勉強してやりたいことって?」の質問に一言では答えられず(1日かかってもおわらない・・・)そのため全員への返信がほってある状態です。苦笑

私もきっかけになった本のことでも書いてみるかな?
いつになるかわからないけど・・・ああ、どこまでもLazyな私・・・

次のトピックも楽しみにしているからね^^

投稿: May | 2007年8月17日 (金) 20時53分

なんか、ちゃんとした目的があって、
それに向かっていることがとっても羨ましいです。
Kyuもこっちで働いて2、3年経験を積んでから、
大学院に行きたいと思ってるんですけど、
Kyuはハピさんのように、これっていうモノがなくて、
ただ漠然と大学院で学びたいっていうだけなんですよね。
終いには大学院に行って意味あるのかと言われてしまいました。
そこできちんと答えられれば意味あるんでしょうけど、
今はまだ全然答えられないです。
でも、オーストラリアは日本と違って、
看護の勉強に関してはとっても選択肢が広い国だと思うし、
決して遅れてる国だとも思いません。
そんな国にいて、勉強する機会を逃すなんてもったいない気がするんです。
絶対、将来自分の為になると思うんですけど、
Kyuには行く意味が見出せない(><)
行きたいけど、無意味に行っては実にならないので、
これからゆっくり見定めて、意味を見付けたいと思っています(^^)

投稿: Kyu | 2007年8月17日 (金) 20時37分

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